ひこばえ通信
2006年3月号(第236号)

暮らしからの政治(21) 原発震災が起きたらどうする?
亀岡市議会議員・しのはら咲子

 原子力発電所(原発)を震度6以上の地震が直撃すると、大災害になる危険性が高いと言われています。配管は想定外の共振を起こし、金属疲労をしている配管は至る所で破断し、運転停止や放射能の漏洩、更に想定にない動作を起す可能性も指摘されています。震災と放射能災害とが複合し増幅する破局的な災害です。この国では地震の活動期に入っているので、いつ、どこで原発震災が起きてもおかしくない状況です。原発は耐震設計だから絶対安全で事故は起きないと信じている人ばかりだとは思いません。けれども、原発震災についてあまり関心のない人が多いのではないでしょうか。
 震源域の真ん中に原発があって最も危険だと言われているのが、東海地震です。もし震度8級の地震が起きたら、阪神大震災を超える広域の大震災となります。その上、浜岡原発の大事故が重なった場合、強い放射能のために震災地の救援や復旧は不可能となり、原発の事故処理や近隣住民の放射能からの避難も地震の被害のため困難になります。被災地は見放されて多くの人命が失われることでしょう。周辺の膨大な数にのぼる住民も避難しなければなりません。チェルノブイリやスリーマイルで起きたような過酷な事故になれば、条件によっては、10数q圏内の90%以上の人が急性死し、茨城県や兵庫県までの風下側は長期に住めなくなるという予測もあります。
 そもそも多くの危険をはらんでいる原発それ自体をできるだけ早期に止めなければならないのですが、国の政策によってなかなか止められないのが現状です。私たちは脱原発や代替エネルギーの促進を求めていく一方で、原発事故が起きた場合に被害を最小限に抑える方策を知っておかなければなりません。浜岡原発から90q離れた三島市の市長は「原発事故に備えて風下の地域へのヨウ素剤の備蓄を県に要請する必要がある」と発言しました。放射能にさらされる直前にヨウ素剤を飲むことによって、放射性ヨウ素を体内に取り込むことを防ぎ、甲状腺障害から身を守ることができます。自治体としても最悪の事態を想定した備えがなければ住民を守ることはできません。まずは原発事故についての予備知識、事故が起きた場合の対処法、避難方法などの情報提供が必要です。
 過酷な事故の発生は原発内部の故障に起因するより地震によるほうがずっと確率が高いという報告もあります。原発震災への対策がどれほど緊急課題であるかは言うまでもありません。