ひこばえ通信
2006年3月号(第236号)

問題だらけの神戸空港
神戸空港工事の中止を求める市民の会代表
神戸水環境研究所代表 讃岐田 訓

1.神戸空港はこんな空港
 神戸市が自前でつくって経営する市営空港で、2月16日に開港した。神戸ポートアイランドの南沖約800mに、面積272ha(甲子園球場の68倍)を埋め立ててつくった。建設費は3140億円。2500m滑走路が1本。年間の利用旅客数として開港当初319万人、5年後には455万人を見込む。建設費は起債が中心で、造成地の一部82・6haを民間に売却して、2780億円を返済する計画である。この空港建設には神戸市民の80%近くが反対した。


▲神戸空港調査の様子

2.ごまかしだった財政計画
(1)借金の返済ができない
 土地売却で返済することになっている借金返済の目処がたたない。予定していた土地売却がぜんぜん進まないのである。しかたなく神戸市は、ターミナルビル近くの一等地を3割引で売り出したら、レンタカー会社が0.3haだけ購入した。しかし、まだ99・6%が売れ残っている。
(2)需要予測を土壇場で下方修正
 319万人と試算されていたものが、開港の2週間前になって、269万人に下方修正された。予定されていた、1日27往復は確保されたものの、定員200名以下の中型機や小型機が6割以上を占めるので、年間の総座席定員は約414万人にしかならない。したがって、わが国の国内線の年間平均搭乗率が約65%なので、269万人となったらしい。しかし、地方空港では、この搭乗率でいけるわけはなく、さらに落ち込むことは確実である。
(3)着陸料収入や貨物取扱量も予定の半分
 中型機、小型機がほとんどであることに加えて、着陸料を大阪空港の半額にしたこと、乗客の駐車場使用料を無料にしたことなどから、年間14億4400万円の収入予定が7億7900万円に減ってしまった。また、貨物取扱量は予測の半分にも満たない。

3.空港島が大阪湾を破壊してしまった
 われわれ市民の会は、護岸完成後の夏場の海洋環境調査で、空港東側の海域で、海底が酸欠状態になってしまったことを実証した(図1)。この現象は、明石海峡からの良好な潮流が阻害されて、淀川汚染水が湾内に滞留するようになったことを示している。
 このときの調査地点は、(1)〜(4)が明石海峡付近から空港西側まで、(5)〜(8)が空港東側から淀川河口付近までで、(9)〜(10)は西宮、芦屋沖である。

4.こんな空港はいりません
 このほかにも、活断層や地盤沈下、騒音、大気汚染、飛行の危険性、軍事利用の可能性などがあり、問題が山積みの空港である。こんな空港の存在を許してはならない。