ひこばえ通信
2006年1月号(第234号)

共済だより(5)

 晴れて一周年を迎えることができました。旧年中はお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。新年早々ですが、昨年からの引き続きの話題についてです。
 2005年は障害者自立支援法、改正介護保険法が可決成立しました。この2つの法案についてマスコミはほとんど報道しませんでした。特に障害者自立支援法については昨年から継続されてきた障害当事者の反対運動や法律の持つ問題点などは一部のテレビ局が取り上げただけでした。特に新聞はまったくと言っていいほど問題にしませんでした。マスコミも行政も制度の考え方=社会保障の本質的なことや福祉の哲学の変更であるにもかかわらず、それを知らせようとしないのはどういうことなのでしょう。
 この法律は障害者福祉を介護保険に統合するための「橋渡し」的な法律であり、障害者に介護保険と同じく「1割負担」させるというもので、サービスを利用すればするほどお金がかかるというものです。つまり障害が重く、サービスを使えば使うほどお金がかかるという制度だということです。障害者が健常者と同じスタートラインに立つためには「自己負担」が必要ですと言っているわけです。

障害者にも「自助」強い 国・行政の責任曖昧に

 問題点を挙げればきりがないですが、私のいくつかの懸念を書かせていただきたいと思います。障害者基本法などではその理念として「障害者は社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる(第3条)」と書かれています。ところが、「活動に参加するためには自己負担をしなさい」という法律ができてしまいました。
 また、財源の問題から、介護保険への統合を目指す動きがありますが、この法律から障害者も介護保険を利用している高齢者と同じく「介護サービスを事業者から買う」ことになります。サービスの問題は「事業者の問題」となって、国や行政の責任は曖昧になります。保険制度では、医療保険や介護保険でもわかるように病院や事業者を監督することが国や行政の責任ということになります。小泉改革では「自助」を基本とし、「民でできることは民で」と、国や行政の責任を小さくすることが基本的な考え方なのです。
 障害や重い病気の子どもをもつ親は金銭的にも、時間的にも「負担」がかかっています。それに加えて1割の自己負担が強化されます。
 障害者自立支援法や介護保険改正は財源の問題から提案されました。しかし日本が高齢社会になることは、とうの昔からわかっていたことであって、「何をいまさら」です。
 公明党などの要請により、タバコ税を財源に児童手当が拡充されるようです。タバコ税は今春増税されると年間3兆円ほどになるそうです。(ちなみに障害者の支援費は年間予算が約6500億円です。)タバコ税だって社会保障費として、使うとこには使うのだから財源の問題を理由にするのはおかしいと思います。(横江邦彦)