ひこばえ通信
2006年1月号(第234号)

野良仕事のひとりごと 雪に埋もれて
グリーンピュアクラブ 米村 祐二

 暮れからたくさんの雪が降りました。北海道の日本海側に降る雪はサラサラで積もるとフワッとしてとても暖かく感じるものです。
 私たちの新篠津村もこんもりとした雪にスッポリつつまれました。雪に育てられた私は冬が大好きです。悲喜こもごも、昨年の出来事をリセットしてくれるためにも年越しに雪景色はなくてはならないものです。
 昨年、吉永小百合さんと渡辺謙さんが主役で撮った「北の零年」という映画がありました。明治になって淡路島から北海道開拓に入った士族を描いたものです。北海道開拓にとっての最大の困難は大雪がもたらす寒さでした。南国からやってきた多くの開拓者にとって、当時の北海道の豪雪を粗末な葦(よし)や小枝で囲っただけの住居、とりわけ出入り口はムシロ1枚下げただけでしたが、辛いものだったことでしょう。当時の降雪量は20メートル、積雪量でも3〜4メートルはあったのですから。
 かくいう私の母も結婚当初はムシロ小屋に嫁いで来たのです。祖父の出身地は徳島でしたが、北海道でのこうした生活はそう遠くはないものでした。それでも大自然は私たちを生かしてくれたのです。厳しい環境が人間の知恵と助け合いの心を育み、自然は生活に必要な最低限の野生の動植物を与えてくれたのです。
 神への畏れと祈りがありました。しかしそれを忘れた人々が増えてきました。人の作ったモノは万人の心の癒しにはなりえません。自然の中に在ってこそ人間は本来の心の安堵を取り戻せるのではないでしょうか。
 生来ガサツな私がこんな思いを馳せるのも、シンシンと降る雪景色のなせる業でしょうか。