ひこばえ通信
2006年1月号(第234号)

暮らしからの政治(19)
公立保育所の民営化について
川西市議会議員 北上哲仁

 2歳になった私の娘は、現在市立中央保育所でお世話になっています。保育所に通うようになって、複数の保育の専門家から子どもを見守ってもらい、親として子育てに「ゆとり」を与えられた気がします。また、さまざまな仕事に就く保護者との出会いとつながりが生まれました。
 子どもにとっても、親以外の多様な人間関係の中でたくましさが身についているように感じます。さまざまな人との出会いと交流から、他人に対する興味や人間に対する信頼感が育っているようにも感じます。
 地域社会の連帯感の希薄化、核家族化、少子化が進み、今ほど「孤独な子育て」を強いられる時代はありません。価値観やライフスタイルの多様化、単身親家庭の増加等が進み、児童虐待や小中学校での学級崩壊、問題行動等が顕在化するなか、幼児期の子育て、子育ち支援の重要性が認識されています。そのようななかで、保育所が働く保護者の子どもだけでなく、園庭開放や子育て支援事業を通じて、在宅で子育てする家庭にとっても子育て・子育ちを支援する場となることが期待されています。
 川西市では財政難を大きな理由として、公立保育所の民営化計画が発表されました。民営化すれば子ども一人あたり年間約50万円の節約になると言います。それは人件費に格差があるからです。年齢構成を調べてみると、公立は20歳代から50歳代まで20%前後でバランス良く配置されています。民間認可保育所では70%以上が20歳代の保育士で、育児休業取得は過去3年間に1件しかありません。結婚・出産を理由に保育士が退職に追い込まれているとしたら、それは保育所としての「自己否定」だと思うのです。
 今年の流行語大賞の一つは「想定内」という言葉でしたが、子育ち・子育ては非効率的で予測不可能、計算不可能で「想定外」のことばかりです。だから、私は市に対して「保育にはゆとりが必要だ」「子どもたちにお金をかけるべきだ」と主張しています。子どもは効率的に育てられません。財政問題解決を目的とした公立保育所民営化には反対です。