ひこばえ通信
2005年8月号(第229号)

共済だより 霜月日記(2)
新設デイ立ち上げに向けて

【5月○日】
 立ち上げに向けての運営会議をはじめる。酒井さんより、「はじめに結論ありきではなくて、柔軟に試行錯誤で煮詰めていきたい。設計の基本は、利用者の視点だと思う」と、頼もしい提案がされた。1階20坪、2階20坪の計40坪の床面積に、各階トイレ2ヶ所と、オフロをどう配置するのか。エレベーターと階段もいる。よつ葉の素材を使った食事づくりの台所も必要だ。
「階段は隅にして、スタッフ専用にしたらどう?」。ここで助言者の三浦研(大阪市大)さんから、「階段をやっかいものではなくて、リハビリの道具と考えたらどうでしょうか。歩ける人には階段を使ってもらいましょう」の一声で、見学に出かけることになった。
【6月○日】
 三浦さんの紹介で、京都西陣の通所介護「嬉楽家(きらくや)」を見学。狭い敷地をゆったりと使って、昔の蔵を改装してオフロの待合と映画コーナーになっている。食堂もオシャレで、いわゆるデイサービスらしさがない。階段の存在価値もある。なるほど、居心地のいい空間だ。
【7月△日】
 宮上さんの設計図に、吹き抜けの階段と、階段下の隠れ場が登場した。「これエエわ」一同納得。ところが、今度はリビングの広さで議論になった。「イベントの時にみんなが集まれる広いリビングがほしい」。「コストと緊急時対応を考えたら、おフロは1階がいいね。そうするとリビングは2階だ」。「フロは1階か、2階か」についての議論の開始だ。「オフロは個浴で各階1つにするという考えもありますね」。「20坪の宅老所が上下に2ヶ所あるというふうに考えてみてはどうですか? この地域にあったモダンな宅老所を創りましょう」と、あつい提案&議論は続く。
【7月○日】
 宮上設計士より、「よつ葉は何を目指すのか」という今までの議論をまとめた提案があった。「デイサービスという「施設」をつくるのではなくて、小規模であることを活かして住まいに近い場所を地域に提供する。来る人が「おはよう、上がるわね」と家を訪問したように思ってもらえるものにしたい。利用者が食堂か和室かの二者択一ではなく、あちこちにいるのは自然な形ではないだろうか。デイに生活があってもいい。人間的にすごせる場にしたい」。居心地のよい空間づくりという方向では一致しても、この居心地のよさが人それぞれなのだ。
【7月◎日】
 園田苑の中村大蔵さんの紹介で、「サポートセンターゆんたく」へは何回もおじゃましている。そのゆんたくで、安永道生さんを招いての介護研修会があった。「自分勝手な思いこみと自己流で介護をしてないでしょうね?」という第一声からはじまった研修からは、自分の勉強不足と思いこみを実感した。縁のできたお年寄りの方と寄り添いながら、一緒に生きていける場づくりを目指したい。(津田順子)