2005年8月号(第229号)

にんじん作りは人づくり−にんじんクラブへのお誘い−
障害者自立支援法案は問題点だらけ
暮らしからの政治(14) 行政は誰のため? 何のため?
野良仕事のひとりごと 一粒の種
兵庫から 本物は身近な小さなところに
会員取材レポート・イベント訪問編 菓歩菓歩
会員のひとりごと 『老い』を感じることありませんか?
「熊野鼓動」が始動
ぐるーぷ自己紹介 のんぼ・亀岡
共済だより 霜月日記(2)
7/17 第4回 ふれ愛まつり 川西産直センター
新米百姓奮闘記 その(9)
海からの便り 第23回 タコは梅雨の雨を吸ってうまくなる!?
私的快適?日記  (6)、編集後記



 今年もにんじんの種まきの季節がやってきました。「生産・流通・消費の役割分担を固定することなく、スタッフも会員も自らの手で作物を作ってみよう」という趣旨でスタートしたにんじんクラブ。10年の歳月をかけて、関わる人の役割分担を超えた視野とともに畑も広がり今年は8ヶ所。ますますにぎやかに種まきをします。多くの会員さん、スタッフのご参加をお待ちしています。

 「にんじんクラブ」ができて今年で10年になります(12年だという人もいます)。10年前の『ひこばえ通信』に、よつ葉とそのグループの会社の職員を中心にスタートした「にんじんクラブ」のことが書いてありました。呼びかけ文はにんじんクラブの目的を次のように唱っています。
(1)農産物を自身の手でつくることによって、生産の実際(その苦痛と楽しさ)を学ぶ。(中略)自らの手で生産物を作り出していくという「よつ葉」の姿勢(豆腐、ハム、食肉など)を多くの人と共有していく。
(2)共に汗を流すなかで相互交流をより深める。
(3)空気のよい環境の中で、青空の下で、汗を流し、日頃のストレスを発散させる。
 種をまいたり、草引きしたり、出来た人参引っこ抜いたり。晴れた日に、みんなでワイワイ言いながら、畑で何かやって育てた野菜をお土産に持って帰る。お昼はビールを飲みながら、みんなで一緒にご飯を食べる。出荷した売上げで、何か美味しいものをみんなで食べたりもする。親子で参加する「よつ葉」の会員の方も多く見られます。僕は固い話なんて聞いたこともありません。だから、この10年前の記事を見たとき、立ち上げ当初の意気込みと意外な真面目さが感じられる内容に、正直少し驚きました(失礼!)。

畑で何かに気づいてほしい



▲(上)昨年の収穫の様子(ひょうごにんじんクラブ)。(下)今年は大豆にも挑戦(能勢にんじんクラブ)。

 今年、「にんじんクラブ」の畑は、能勢・兵庫(ふえろう村)・奈良・瀬戸内(広島県)・高槻・別院(亀岡)・茨木・東大阪の8ヶ所に増えました(東大阪は今年は職員のみでスタート、茨木は新しく借りた畑の状態によってスタート時期を決めるとのことです)。この8ヶ所の「にんじんクラブ」、畑で人参を育てるということだけは共通していますが、共通しているのはそれだけです。人参以外に育てている野菜も違えば、農作業の雰囲気も全然違います。例えば、能勢は「じゃが芋・シソ・大豆・さつま芋・小松菜・大根・他」、兵庫は「ポップコーン・さつま芋・春人参・じゃが芋・チンゲン菜・他」、瀬戸内は「かぼちゃ・ねぎ・とうもろこし・米・他」という具合。やっている人も畑の状態も違うのですから当り前のことなのですが、それでも毎年12月にお届けする私たちの人参は毎年大人気です。「有機の堆肥、完全無農薬だから美味しい」という人もいますが、それぞれ個性があってみんなバラバラだということも理由のひとつだと思います。
 数年前、国の政策で「JAS有機基準」というのが出来て以来、「この基準以外の育て方をした農産物は、有機という言葉を使ってはならない」ということになりました。もともと農薬や化学肥料は、国の政策によって広がった歴史があります。そういう農政に反対し、ずっと有機の堆肥と無農薬でやってきた農家も、認証機関の高価で面倒で画一的な認証を受けないと「有機」ではないということになっているのです。現在の農産物市場は、サイズや見た目の規格基準で価格が決まっていく仕組みになっていますが、「有機」もその中に組み込まれた格好になっています。「JAS有機基準」は、消費と流通の側からの要求によって作られたのですが、私たちと農業の関係を一方通行で固定化することにしかなっていないと思います。
 「にんじんクラブは、畑で楽しくやってるだけじゃん」とか言う人もいます。確かにその通りかもしれません。しかし、一方通行の関係でしか農業を見れなくなっている私たちが、畑に来ることで何かに気がつくこともあります。「にんじんクラブは、人参を育てるのではなく人を育てるところ」だというのは、最初に先輩から聞いた好きな言葉です。自分で人参を育てることを通して自分自身が育てられる、そしてそのことが農業を守ることにつながっていく。そんな「にんじんクラブ」が、もっと広がっていくことを願っています。

“マイ畑”と思って参加を
能勢産直会員・小川育子

 私が初めて“にんじんクラブ”を知ったのは3年位前の春でした。参加しようと思ったきっかけは『ライフ』で「畑に行ってじゃがいも掘りをすると、じゃがいもがもらえる」というような、おいしい話が目に飛び込んできたからです。持ち物は軍手・長靴・帽子だけでOKです。誰でも気軽にできますよ。都会では味わうことのできない自然の中での畑作業は、子どもにとっても大人にとっても本当に楽しめるひとときだと思います。
メインの“にんじん”は夏に種をまき、数回の草抜きをし、間引き作業の後、秋には立派に育ったものの収穫です。抜いた“にんじん”を出荷するために皆で袋詰作業を手伝います。その“にんじん”が会員の皆様に届くと思うとうれしくなります。
 ぜひ“マイ畑!?”だと思って皆様も参加されてはいかがでしょうか。この“にんじんクラブ”での体験はきっと良い思い出となることでしょう。