ひこばえ通信
2005年4月号(第225号)

水産懇談会レポート
05.3.19水産生産者懇談会についての反省会まとめ

(株)ひこばえ 江守
感 想
初めて、全国の水産関係の生産者13名とよつ葉の関係者を合わせて40名ほどで水産生産者懇談会を開催しました。「豊かな魚文化を存続させていく、取り戻す・・・一次産業(農・林・水産業)が元気で、みんなが元気になるために」という長いテーマでした。

はじめに、・戦後の食文化の変化・排他的経済水域200海里・沿岸漁業の重要性・高度経済成長時の急速な工業化・食糧確保の面からの輸入原料と製品と今後・食べ方(美味しく食べる、知恵と工夫)・山、川、海のつながりと切り口で、問題提起をしました。

要 約
食文化については、米・大豆・魚介・発酵食品が風土にあった食生活で魚への依存率が大きかったこと。沿岸から沖合い、遠洋漁業へと展開していたが、遠洋漁業の実態は、他国の沿岸の水産物を獲っていた。

排他的経済水域200海里体制は再度、沿岸漁業の見直しと重要性が問われるようになった、しかし魚食の構造は低価格魚(アジ・サバ・イワシ・サンマ)から高価格魚(エビ・マグロ・サケ・カニ)などのままであり、水産関係の自給率は50%を下回る情況になっている。

古くから、地域で生産される漁獲物を利用し保存の工夫が伝統的な加工産地を形成してきた。輸入原料依存型の加工産地が地場原料を活用したローカリティーに富む産地を圧倒している。

急速な工業化は各地の沿岸漁業をないがしろにし、公害、環境問題を引き起こしている。縦割りの行政では解決できない。

よつ葉の水産についての考え方と方向
上記の情況の中で、大きくは以下のまとめとしたい。
・ 前浜のものを大切に地域的特長を大切にした展開に挑戦しよう。
・ それぞれの地域での美味しい食べ方を伝えよう。流通にのらない魚も工夫して食べる方法を模索しよう。
・ 鮮魚についても丸ごと美味しく食べるため、魚の捌き方教室などを開催し知恵と工夫を伝えていこう。
・ 水産資源は自律再生資源であり自発的な資源管理も大切。山、川、海のつながりを捉え返し環境への取り組みを伝えよう。

参加者レポート感想集(敬省略)

よつば水産 松本
3月19日(土)水産の懇談会が開催されました。北は北海道、南は九州までのよつ葉にたずさわる生産者が集まりました。日頃からよつば水産がよつ葉の水産としてどのようにしたら良いのか、どうあるべきなのか考えていました。しかしなかなか答えが見つからず今日まできました。今回の懇談会で生産者の話を聞いて自分なりの答えが出ればと思いました。
 各産地ごとにいろいろな問題がありそのことについて考えている。例えばシーラ、今は二束三文にしかならない魚ですが何とかならないか?との意見が出ました。なかなかしたしまれない魚ですので難しい部分はありますが、よつ葉として考える、ただ商品にならない売れないじゃなしに、産地の人たちと一緒になって考えていくことが大事なのではないかと思いました。今は何も出来ませんが、ただ商品を作る生産現場ではなく、今後は各産地との交流を深めそのその地域の抱えている問題や産地の思いをよつば水産として一緒になって考え、伝えていくそんなよつば水産にしたいと思いました。今はひこばえ企画と一緒によつば水産でしかありませんが、形にとらわれずよつ葉の水産としていければと思います。
 この水産懇談会が始まるまではどのように話が進んでいくのか不安でしたが、」まだ始まりでしかありませんが開催して良かったと思いました。問題・課題は山積みですが次にいかせればと思います。


よつば水産 河上
3月19日に各産地の方々が集まり会議と親睦会が行われました。初めての試みという事もありどんな感じなのか検討もつきませんでした。
 会議ではスタートから硬い感じで何とも言えない空気だったが、徐々にみんな話し出し親睦会ではお酒も入り各々が和やかに話していたので交流できたんじゃないかと思いました。自分はほとんど知らない人ばかりなので、親睦会で顔と名前が一致すれば良いだろうと思っていました。
 会議の中で海の現状や海の中で起きている事を聞いていると、当たり前だが海の前で海と共に生活しているんだなと実感しました。大阪の工場では見ること・感じる事の出来ない世界だなと。
 全員の方とは話はできなかったが、蔵本さん、田中さんには魚・加工の話を聞けたので参考になりました。自分は発注を各地にしていないので来た方たちがどの商品を扱っているのか把握は出来ていません。把握できていればもう少し話が出来たかななと思いました。


よつば水産 木田
僕は、原材料の発注を担当していますが、今までは名前だけしか知らない人がほとんどだったので、会って話すことができてよかったです。これからは、少しでも魚の話ができればいいなと思います。
魚の話ですが、鮮魚で食べた方が美味しいのは当たり前だと思います。話を聞いてるうちに、よつば水産は何の為にあるのかと思いました。しかし、よつば水産でしか出来ない事があると思うので、今後の水産は何をしていくべきなのか、みんなで考えていきたいです。僕もまだまだ勉強不足なので、魚のさばき方、旬の魚などいろいろと勉強したいと思いました。今度は産地に行って、話を聞いて魚の知識を学んでいけたらと思いました。


ひこばえ 池本
 3月19日(土)に水産生産者10社とよつ葉のスタッフで懇談会を開催しました。天日干しでおなじみの芦浜産直の阪口さんや、人口600人程度の山口県祝島から10時間程かけて来られた祝島漁協の山戸さん、北海道・札幌中一の橋本さん、長崎県漁連の北川さんなど、あらゆる規模のいろんな立場の人が初めて顔を合わせ、水産に対する考えや、これからのよつ葉の水産部門はどうあるべきかなどを話し合いました。 話が進む中で、魚1本を使い切る料理法をみんな知らない事や、各家庭に出刃包丁など無く、魚と言えばスーパーで買う切身魚くらい・・・など、家庭環境の変化による魚離れが大きいのではないかと感じました。
 魚の姿形・魚に関する話題・郷土料理・食べ方・捌き方など、企画として多彩な引き出しを用意しておく事が大切だなと痛感したり、また「街中で話すよりも漁港や現場へ行って話し合う方が、より具体的で現実的な話ができますよ。」との意見もあり、産地交流の推進や魚の捌き方講座の必要性なども考えさせられました。
これからも、よつば水産を含む生産者の皆さんと、一緒に歩んでいけるような関係をこのまま持続していきたいと思い、来年もぜひみんなで集まりたいと思います。


芦浜産直修業生 阪口明志
3月19日水産懇談会に参加させてもらい、よつ葉の人達や各地域の生産者の話を聞かせてもらいとても勉強になりました。魚に対する思い入れや、自然魚だけを取り扱う事の難しさ等は熊野灘の魚を中心に仕事をしている芦浜産直も同じだと思いました。まだ経験も少なく勉強不足な所も多い私ですが海の男であった父を見習い魚を大切に取り扱って、日々怒られながら修行し学んで経験を積んで海の知識の方も学んで行きたいと思います。


おさかなはうす 蔵本
先日は、貴社開催の水産懇談会にご招待有難うございました。
身分も弁えず何回も意見発表させてもらい、心より感謝しております。本当に有難うございました。私の40年に渡る魚屋業から知り、又実行してきた経験の一部を話させてもらいましたが、出席者の方々に少しは役に立ったのかなとの危惧しております。今後是非2回3回と開催していただくと事を願っております。
わが社では水産加工品は勿論、鮮魚の出荷もしておりますが各社の会員さんからの設問の中で特に多いのが魚の鮮度についての設問とクレームです。何月号であったか忘れましたが、月刊誌「現代農業」の中で「これからの食べものは、安全、安心も大事だけど、おいしい食べものを求めていかなければ」との主旨の一文がありましたが、確かに安全安心であれば「どのように出来ていようと、又どのような姿、形をしていても」ではないと思いますし、商品そのものの本来の味はどのようなものが本当においしいのかということが分かってなければならないと思います。
懇談会の中で貴社の代表が魚の料理教室を行いたとのご発言をされていましたが、私は是非開催して欲しいと願っておりますし、又、わが社も微力ながらお手伝いをさせていただきたいと思っております。
現今の奥さん方は魚より肉を好まれているようで、魚屋の私には悲しくもあり、情けない気持ちで一杯です。数千年の日本人の歴史から生まれたわれわれの肉体は肉を消化できるだけの頑強な消化機能でないはずです。魚肉と野菜に適した肉体なんだけどなぁとささやかに思うのですが。
日本各地でとれる魚で市場価値の低い魚を加工又は、市場移転してその価値を認めてもらうように務めることが私たち地場の水産物取扱い業者の任務と考えますが、私の奢りでしょうか。そうした意見の交叉点として貴社の役割をお考えいただければありがたいと念じております。どうかよろしくお願い致します。


(株)札幌中一 橋本 稔
お世話になりました。思ったより面白くありましたが、私達はひこばえのことをある程度理解しているしているつもりですので、好き勝手なことが言えるのですが、単に取引先と把握してしまうと、紋切り的にしか言えなくなってしまうのかと、思いました。
 やはり、水産他一次産業がどの位置にあり、自分たちの位置があり、何故流れに逆らっているひこばえやよつば水産に食べ物を供出しているのかを自問しながら、関係性を持って行かなければと、再度気持ちを確認させられました。
 本来、食べ物はこうあらねばならないとか、こうあるべきとか、基本的な価値があると思いますが、食べものに関わらず、常にぶつかる言葉があります。かのドンキホーテが暗闇の深淵を覗き込んだような、絶望的叫びで「事実は真実の敵である」。何故真実という真理は、事実という現実に、打ち負かされるのか、ひこばえの皆さんも私達も異端でもなければ、変わり者でもない。
 純粋にあるべき姿とあるべき社会を望んでいるだけなのだと思う。それが私達の生命体を維持していく食べ物なら尚更です。これからも心有る方々とウルトラマンやスーパーマンと伴に歪んだ事実をやっつけて行きましょう。


徳島大水冷蔵 田中
先日は、水産懇談会に参加させて頂きありがとうございました。
農・畜・水産に限らず、生産者 → 製造者 → 流通事業者 → ひこばえ → 会員の流れで、情報・物が流れていくものだと思います。様々な立場の方々がいますので、賛成できること、できないこと色々だと思います。当社は特に生産者でもあり、製造者、流通業者でもあります。今の立場で最大限できる事、海の情報を伝えながら、特に前浜で水揚げされる魚を重点的に、今後も商品開発を行ってまいります。また、魚文化を存続させる為の会等がありましたら参加させて頂きます。  


鳥取県漁協販売株式会社 稲坂 直樹
 水産の生産者懇談会の開催お疲れさまでした。
全国の水産関係の生産者との貴重な意見交換ができて色々と勉強になりました。皆さんが個々に課題、難題で頭を悩まされており、どうしたらいいのか?と日々考えておられました。みんな同じ想いなんだなあ〜と感じました。
 水産業はここ数年、大変厳しい状況となっています。水揚げの低迷、魚価の不安定、後継者問題、などなど。そんな厳しい中でも、生産者のみなさんは自分の所で獲れた美味しい魚を食べて頂きたい。しかし、現状、問題が重なりなかなかうまく紹介する事が出来ず頭を抱えているのです。そこで、よつ葉のみなさんの力を借りて、何とか製品化を実現したいものです。よつ葉の関係者、会員さんが産地に来て頂き現地を見て、魚を食べて、現状を聞いて、みんなで話合えば違う発想が生まれ解決策を見出してくれる可能性もあると思います。
 生産者が「これ作ったから売ってよ〜。」じゃなく、生産から消費まで一連のつながりがあれば想いも一つになり、みんなで力を合わせて商品を作れば商品が活きてくるんじゃないのかな〜?と思います。みんなでがんばりましょう。
 今後、活動に期待しています。


(有)土佐佐賀産直  浜町
 3月19日、全国の水産関係の生産者の皆さん、よつ葉の関係者の皆さんとの、水産懇談会に出席させて頂きました。
懇談会を開くのは初めての事だということでしたが、私自身もこういう懇談会へ出席するのは初めての事だったので、不安と期待で参加させて頂きました。
全国各地の生産者の方々の、思いや活発な意見を聞いていく中で、小さな漁村はどこも
同じような状況で、同じような悩みをかかえているなあと思いました。
矛盾点も見えてきました。魚離れが叫ばれる中、外国からの輸入魚は増えていき、国内で取れた魚は、安く買い叩かれる。とても不思議な環境になっています。
大衆魚と言われる、アジ、サバ、など、加工(干物)まで、海外で行うようになってしまいました。当然、漁業後継者は減り、水産加工会社も減っていきます。
そうなってしまった背景には、私達消費者がそれを求めすぎた事もあるでしょう。
地場でとれた魚を、地場で加工して、発信していく。全国各地その地域ならではの、美味しい食べ方を、ライフを通して発信していく。そうすることで、小さな漁村が少しでも、明るく、元気になると思うのです。よつ葉の方々の思いを聞いていく中で、水産にかかわってない方々まで、真剣に“魚”について考えている事がとてもうれしかったです。 めまぐるしく変化する社会情勢、私達をとりまく自然環境も大きく変化して来ています。土佐沖をとおる黒潮までも離岸が進んでいます。
水産を考えて行く中で、山、川、海、の関係、環境への取り組みや、自分で出来る活動。
そして、今の世の中おかしいと感じ、「おかしいよ」と言える自分になる事、そして共に行動できる仲間を増やす事。
 今回参加して、ただの魚屋になってはいけないとつくづく感じました。

長崎県漁連 
福岡事業部 営業課  北川 聡
今回出席させていただいて感じたことは、関西にはいくつもの生協が競合する中で、(株)ひこばえ様の考え方・今後の動向について感服致しました。
それは、どんなに規模が小さくてもいいので地域に根を張って人と人とのつながりを大事にしてゆくということや、その土地で獲れるものをその土地で加工し、その地域が活性され、心まで豊かになろうじゃないかということです。
私は漁連に入ったときは、生産者(漁師さん)が一番偉く、次に漁協、県漁連、全漁連と教えられ、今回の懇談会に出席するまで忘れていたことを思い出させてくれました。
それから、地球に存在する山・川・海とのつながりや、環境問題も含めたところでの考え方、また世直し活動等を世間にアピールする、そういったことなどをひこばえ通信などに載せてみる。(各生産者の方も頑張ってますよ)といったことはおもしろいのではないかと思いました。
 今年度から鮮魚流通にと着手しようと思うのですが、懇談会の中での魚のさばき方教室を開催し、丸魚(ラウンド)にて納品できればいいかと考えました。(さばき方教室には是非参加しようと思います。私も未熟なもので・・・)あとは旬の魚をアピールし、長崎の旬の魚を皆様に知っていただきたいと思います。)ライフの表紙に長崎秋の魚特集をドーンと掲載してください。(野菜も加工品も合わせて・・・)
 それから今後の課題と致しまして、まず長崎のよかところを知ってもらうために、江守さん、池本さんやよつば水産の松本さんと一緒に浜廻り旅行し、そこにも人との出会いや感動が待っているものと信じています。それをまた企画の方が上手に伝えたらいいものが芽生えるのではないでしょうか。
最後になりましたが、ともに発展してゆくために、密な連絡を取り、たまには馬鹿な話をしつつよいものが造れたら自然にいい結果が生まれてくると思います。次の懇談会にも是非出席したいし、次回時は長崎弁丸出できるよう発言しようと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。


福栄 前田 亮
 先日の水産懇談会ではお世話になりました。懇談会に出席でき本当に有り難い事だと思っています。
 今回の議論で多く話されていた魚(ラウンド)をどのようにしたら多くの消費者に食べてもらえるか、或いは調理してもらえるかについてですが、やはり私たち生産者が進んで魚を美味しく食べる為の簡単なレシピ・調理方法等をどんどん提案していくことが大切だと思いました。切身魚や多くの簡便調理品はとても使い易く現代の消費者のニーズに合うものでとても大切なことですが、その一方で魚の食文化を徐々に腐敗させているということも言えます。それでもこれからは多くの簡便調理品が出てくると思います。そのなかで私たち生産者やひこばえ、よつば水産、そして多くの食に関わっている人達がまずは家族、そして友達へと徐々に伝えていくことが必要だと今回の懇談会で強く感じました。
 これからも本当の意味での消費者のためにできる最善のことをしていこうと思います。
 この度は多くの地域から水産生産者の方々が来られて多くのことを学べました。機会があれば次回もぜひ参加できたらと思います。ありがとうございました。