ひこばえ通信
2004年8月号(第217号)

会員取材レポート 芦浜産直出荷組合


塩浜山村広場にて


豆アジの手開きを体験

原発反対<Vールにひかれて

天気予報の雨≠心配しながらバスで紀伊半島へ向かった。芦浜産直の阪口さん≠ニよつ葉はずいぶん古いお付き合いだが、海のニガテな私は今回初めて交流会に参加した。
少し前芦浜原子力発電所建設反対運動の歴史、核・放射能汚染の実態、「もんじゅの明かされた真実」のビデオを観て学習する機会があった。芦浜産直のアジの干ものを注文するたびに原発反対≠ニ貼ってあるシールが気になっていて、ぜひ現地を訪れてみたいと思ったのだ。
紀勢町錦漁港に到着するとお天気も良くなり予定通り芦浜湖へシジミ漁≠ノ出発した。芦浜湖は昔、海であったところが海流の影響で土砂が運ばれ、砂嘴になり、そして出口が塞がれ海と池に分離されてできた海跡湖だそうだ。山にかこまれ絶壁に挟まれるかたちで、湖へ行くには山道を一時間半かけて歩くか海から船でわたるかしか方法がない。坂口さんと息子の明志(アケシ)さんが船で案内して下さり、原子力発電所建設予定地の芦浜湖へ。
熊野灘を吹く風は清々しく、沖の島々・養殖イカダ・すれ違う漁船・波立つしぶきを心の奥に映しとどめた。皆さんが一生懸命とって下さったシジミはとってもツブが大きく、翌朝とお昼に味噌汁にしたら臭みがなくて絶品でした。(ちなみに私はトゲトゲのハマナツメの小枝をよけながら、皆さんがとって下さったシジミを回収しておりました。次回までに水につかれるように頑張ります…)
翌早朝は錦漁港のセリの様子を見学。朝食後、坂口さんがセリ落として下さった豆アジでたたみイワシ≠ネらぬたたみアジ≠作った。手開きでていねいに一尾づつ処理し、無添加本醸造醤油と本みりん粗製糖に漬け込んで、屋上の干し場で並べて干す。海からの汐風とお日様に当てて、三時間ほどで美味しいみりん干しの出来上がり!! 市販品のように発色剤や酸化防止剤・糊・グルタミン酸を添加しない正真正銘のみりん干しだ。
坂口さんは穏やかでニコニコとしておられるがいい加減な仕事をしない職人さんだ。自然魚相手の製品造りなので多少の脂ののりぐあいの違いがあるけれど人の手でするところはキチンとさせてもらっている≠ニ話される横顔は厳しい。奥さんの雪子さんは働き者でとっても明るい。
魚の加工を通して産直運動を続け、この豊かな海と自然に育まれて生きる……今も原発建設計画は破棄されていないが錦町でも住民投票条例が成立し、南島町では当初より一貫して反対し続けている。人々の運動の歴史がこの海と自然を守り続ける事を祈り、本物を作る人それを頂く人として繋がっていたい。(京滋センター・村上美和子)

風景をお土産に持って帰りたい

 「良き人、良き自然、良き味」。芦浜産直はそんな所でした。どうして、こんな所に原発なんか造ろうと思えるのでしょう。計画は中止になったと聞いている。本当に良かった。いつまでもこの自然が続くように。
 シジミ獲りも、スリル満点の船行も、夜の美味しい魚料理も、その時の楽しい会話も、夢のように過ぎてゆく。
 次の日は六時起床、早速浜へ。すでに魚でいっぱいに。魚の水揚げの様子も面白く、とれたてのイカのお造りをごちそうになった。美味しかった。一九四四年一二月の大津波の話も聞いた。それぞれの歴史があり、思いがある。
 小鯵を手で捌いてみりん干しを造った。お土産にもらったので家族に講釈を垂れながら食べようと思う。見晴台からの風景は切り取って持って帰りたいくらい。そこでのバーベキューも最高。お世話になりました。阪口さんご夫妻、息子さんの明志さん(氷川きよしさん似の好青年)、ほんとうにありがとうございました。(高槻生協・原田さん)


連絡先

芦浜産直
代表者:阪口和郎
〒519-2911 三重県度会郡紀勢町錦882
TEL.05987-3-2192
FAX.05987-3-2054