ひこばえ通信
2004年8月号(第217号)

大豆契約栽培を進めています
別院食品・松本伊史

別院食品では現在国内産大豆の契約栽培を進めています。本年は長崎県、熊本県、山形県それぞれの大豆生産者たちと手を結び、よつ葉の豆腐工場で使用する大豆を生産してもらっています。
 もともと大豆の自給率はわずか五%。そのうえに昨年の冷夏・日照不足で現在国産大豆はたいへん手に入りにくく、入札価格は昨年の二倍以上になっています。さらに「米政策大綱」による大豆への転作奨励金の見直しは、国産大豆生産にブレーキをかけるものと思われます。別院食品では大豆が置かれたこうした困難な状況と問題を共有したいと考え、各地の大豆生産者との関係づくりを進めてきました。

各地の生産者との直接のつながりで

長崎県の壱岐島では、いままで減農薬栽培で大豆を作っていましたが、今年から有機栽培に転換していくとのことです。まだ転換期中の大豆ですが有機農法で作られたものは甘くておいしいものができます。来年どんな豆腐ができるか楽しみです。
 熊本県の玉名郡では清田さんに作ってもらっています。現地を訪れた私に、「七月一二日から三日間で種まきをする予定です。少しでも安全なものを作っていきたい」と意気込みを語ってくれました。
山形県の新庄市では「ネットワーク農縁」の高橋さんを中心に、新庄市を囲む集落の生産者グループと共同で組織を結成し、大豆作りをしてくれます。
また、北海道の石狩市の大塚農場とも話を進めています。今年は耕作地がないので生産はできませんが、来年には耕作地を広げて大豆を作ってくれるそうです。大塚さんは「農作業者は、口に入る米や野菜についた農薬量の一万倍以上を体中で受け止める。体が農薬で病んでは元気に働けない。元気でおいしい作物を作るには、土はもちろん人も健康でなければいけない」と痛感し、無農薬、減農薬、低農薬農業へと切り換えたそうです。
 別院食品では、このような生産者たちと契約して、豆腐工場で使用する大豆を確保し、来年(二〇〇五年)からその大豆を使って豆腐を製造していきます。

食べ物の商品化の弊害 越える方向をめざす

 現在は大量生産、促成栽培など収量、収益を上げる方法を考え、また見かけや保存をよくするための薬品をたくさん使うようになっています。しかも、それが知らされていないことが多く、危険な食べ物がたくさんあります。自然な食べ物が商品化されていく中で、食品公害が氾濫し、今になって食品添加物の人体への弊害が出始めています。
別院食品が大豆の契約栽培を進めているのは、たんに国産大豆の確保の必要という理由からだけではありません。各地の生産と手を結び、食べ物の本質をともに考えながら、大豆・豆腐の生産をしていきたいと思っています。