ひこばえ通信
2004年5月号(第214号)

共済だより
山本秀樹先生講演会報告集

 痴呆についての第一人者といわれる山本秀樹先生(池田市本町診療所所長)の講演会を開いたのは一月のことでしたが、先生は、痴呆研究の最先端の状況から、実際に診察にたずさわる中での豊かな経験にもとづいた事例、生活の中で気がつくポイントなど、専門的な分野から具体例まで、ほんとに幅広くお話しくださいました。
 NPOよつ葉福祉友の会のボランティアグループ・さくらんぼでは、この講演会だけのお話にしておくのがとてももったいなくて、頑張って報告集を作ったのですが、反響も大きく、うれしい悲鳴を上げています。
 「痴呆とはどういうことか、よくわかった」「わかりやすくお話しされていて、是非友人にも読ませてあげたい」「家族で話し合うことが大切だと思っていたけど、これまでは自分に協力してほしいと受け取られてうまく伝わらなかった。この本だと客観的に話し合える」などなどの声に、それこそ山本先生が日々の診察の中で痛感しておられることであり、ほんとに良かったと喜んでいます。
 特に毎日お世話している人だからこそわかる、小さな気づきが大切で、家族で話し合うことで、ご本人にとっても、ご家族にとっても、その後を乗り切っていく環境をいっしょにつくっていけること。毎日お世話している人が介護疲れでパンクしないためにも、一人で抱え込まないこと。利用できる制度はどんどん利用するなど、他人に任せるところは任せる。みんなで関わることが、いい介護を続ける条件だということ。
 以前にもご紹介しましたが、痴呆高齢者の方が「点」で生きておられるということ。今日は何月何日なのか、ここはどこなのか、この人は誰なのかがわからない。そういう不安、緊張の中で生活されているから、心がとてももろくて、壊れやすい。「問題行動」といわれる行為も、こういう見方をすれば、介護者側の発言なり、対応の仕方にかかっていると先生はおっしゃっていました。一番いいのは、とにかくご本人のしたいようにさせてあげることだとおっしゃいます。もちろん毎日の暮らしの中でそれを実行するのは大変なことですが、家族側の基準ではない「ものさし」があることをわかっておくだけでも、ずい分家族側の心構えが違ってくるように思います。この報告集がお世話されている方々の応援になれば、そのことが一番うれしいです。

(さくらんぼ・津林民子)

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加入者名:NPOよつ葉福祉友の会さくらんぼ
・報告集(36頁)1冊 525円
・送料 1冊160円・2冊200円
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NPOよつ葉福祉友の会さくらんぼ
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