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2010年1月号(NO.11)
明けましておめでとうございます
次のステージへの始まりの年としよう
・人と人との協同に価値を置いて
・こだわりを棄てたら存在理由を失う
・主張・生産者の思いを伝えていくカタログに
・生産と消費をつなぐ仕事と任じて
・社会的課題ときちんと向き合った生産現場づくりを
次の1歩を皆さまと共に
「2010年の抱負」を寄せてもらった各氏のコメントを紹介します。
北大阪エコネット/高生連/エコネット みなまたはんのうれん/レインボーグループ/地主共和商会
札幌中一/角谷文治郎商店/庄分酢/広島東城有機野菜の里/神室産直連絡会
みちのく農産/のーむの大地/長崎有機農業研究会/アルプス/津乃吉
かめびし/堀田勝太郎商店/ネパリバザーロ/畠納豆/べにばな野草園
北海道訓子府中西農園/ボーソー油脂/佐伊津有機農法研究会
産 地 紹 介
久米島生産グループ/ながさき南部生産組合/コーミ(株)
暁石鹸/農業組合法人 和郷園/パラマウント・ワーカーズコープ
今般の国の事業仕分けに参加して
農への橋渡し
伝えたいこと、変えたいこと
よりよい人とモノとの出会いを
編集後記



●明けましておめでとうございます
次のステージへの始まりの年としよう

・人と人との協同に価値を置いて
 農の現場に立つ1人として、2009年の年末は、厳しい不況と言われた2008年より、一層厳しいものとなってしまったように感じます。2010年の新春を迎えて、今年こそはと新たな気持ちで、11年目に入った21世紀へと踏み出したいものです。
 けれど、冷静に考えてみると、今年も、より一層厳しさが増す1年となることを覚悟せざるを得ません。そして、そうした時代状況は、私達自身が「厳しい」と感じてしまう、価値観そのものの転換をせまっているのだと受け止めています。人が人らしく生きていくことは、どんな時代にあっても厳しいものです。
 もう、ずい分前でしたが、中村尚司という学者が、「自立というのは孤立無縁で実現されるのはなく、相互依存のチャンネルの多さで実現される」と指摘していたことを思い出します。略して、「自立は依存だ!」。モノを介して、人と人とがつながっていく。モノの向うに人を感じ、人の生き様を思う。モノを通じて人と人とが協同し、相互に依存し合ってより良く生きていく。モノばかりが氾濫しすぎて、困難は余り在るとしても、ヒトとヒトとの関係の広がりと深まりに価値を置いて、今年も厳しい時代に立ちむかっていきたいと考えています。
 ひるがえってみれば、政権交代を実現した民主党のスローガンは、「コンクリートよりヒト」。その言葉にどれほどの確信がこめられているのかは、はなはだ疑問ではあるのですが、政権与党ですら、そう主張せざるを得なくなったこの時代。よつ葉にとっても、一層、その活動の質が問われる1年でもあります。よつば農産も、地場つなぎの会をはじめ、全国各地の農の現場で奮闘しておられる皆さんと、より広く、より深くむすびついていけるよう、努力を積み重ねていく覚悟です。(よつば農産 津田道夫)

・こだわりを棄てたら存在理由を失う
 ここ数年全国の生協が合併、連合化していく流れの中で、これまで余り大きな動きのない関西だったが、ここ最近関東や九州の準大手生協がどっと参入し、熾烈な競争が繰り広げられ関西地域の生協地図は大きく塗り変わった。全国的にも有名だった大阪の地域生協も関東の生協に吸収され、その名さえもなくしてしまった。
 そして、それらの進出生協はいずれも1970年前後の学園闘争やベトナム反戦運動に深く関わった活動家たちが作り上げてきた生協でもある。彼らは大手ビジネス生協や全国生協を牛耳る日生協に反旗を翻し、地域に根ざした生協運動や陣地形成に熱心で、私たちもその経験をよく学びに行ったものだ。それがまさか私たちと競合、競争関係になるとは夢にも思わなかった。こっちにはそんな競争心はまるで無いのだが。
 かつて彼らが標榜した「協同組合」や「地域運動」の理念と、この地域性を無視して繰り広げている熾烈な拡大路線との乖離は何なのか。
 私たちは、目の当たりに繰り広げられる生協間の競争意欲の旺盛さには少し驚かされたが、だからといって幸いにも会員数が激減したわけではない。それは地域の人々や生産者に根差しているからだと改めて痛感する。長い地域運動の歴史のなかで「食べ物の売り買い」の前に、人と人との関係が優先するのだという考え方の基本を、培ってきた結果ともいえる。
 私たちは少々効率が悪くなろうとも地域に根差すため、大型化するよりあえて地域を狭め分散化する道を選んだ。地域のセンターの主体性を尊重し、その独自活動を重視してきた。それ故関西よつ葉連絡会は縦型「連合組織」ではなく、横のつながりである「連絡会」であり続けてきたのだといえる。各々のセンターが主体的に積み重ねてきた重層的な協同関係が、私たちの力の源泉だといえる。
 また規模は小さいけれども、地場野菜を通じた地域農業の育成や、自前の生産工場や農場作りなど、一見牧歌的に見えるけれど、今日本が直面する本質的な課題に取り組んできたことも存在意義としてある。
 私たちに莫大な宣伝広告費や組織力があるわけでもないし、安売り競争する余力などもとより持ち合わせていない。この厳しい時代に私たちが存在する意味、生き延びていく道は、より意識的に地域の人々や生産者との協同関係に依拠していく以外にはない。この迎えた2010年、私たち関西よつ葉連絡会が問われているのはそのことではないだろうか。(北摂・高槻生協 松永了二)